ゆめぴょん評価:★★★☆☆
『バッカーノ』には主人公がいません。いろんな企みを持つキャラクターたちが様々な組織やグループに属し、戦かったり、仲間になったり、ひかれ合ったり、結ばれたりするファンタジーです。三谷幸喜のシナリオのようです。
ゆめぴょんです。こんちはっ(^^)/
タイトルの『バッカーノ(BACCANO!)』はイタリア語で「馬鹿騒ぎ」を意味するらしいです。その名の通りドタバタ劇が続きます。登場人物の数が多くて、時代もいろいろ飛んだりするので原作読んでないと混乱します。以下ネタバレあります。
アニメ『バッカーノ(BACCANO!)』を面白く見るための4つのコツを伝授
メインは1931年の大陸横断鉄道フライング・プッシーフット号の中での多勢力による抗争。個性的な人物や組織が多く入り乱れ、しかも不死者が混ざっていたり、最強の殺し屋やマフィアもからんできて大混乱してきます。
前半というか1話目で見るのをやめる人は多いと思います。何が謎なのか、何が目標なのか、誰が善人で、誰が悪人なのかさっぱりわかりません。そこで初めて見る人が面白く見るための4つのコツを伝授します。
- 3話目までがんばって見る
- グループ単位で認識する
- 善悪の区別はつけずに見る
- 誰が不死者か考えながら見る
3話目までがんばって見る
単純ですが、まず理屈抜きでこれくらいまでは一気見しましょう。するとこの物語の登場人物はなんとなく分かってきます。それでも彼らが何をしたいのかは分かりません。それを知りたければ先を見るしかないです。
グループ単位で認識する
最初は1人1人を把握するのは難しいので、グループ単位で1まとめにして認識するのがおすすめです。全体が見えてきたら人物1人1人を把握すればいいでしょう。
前半の鉄道内でのグループの大きなくくりとしては、アイザックとミリア、黒服集団、白服の殺し好きマフィア、顔に刺青ある臆病男と集団、列車下の人物、あやしい子供、車掌たち。後半は200年前の船上メンバーも1グループとして考えればいいと思います。
善悪の区別はつけずに見る
誰が善人で、誰が悪人かというのは、この物語では意味をなさないので考えるだけ無駄です。誰が強いのかというのは、そこそこ重要です。
誰が不死者か考えながら見る
少し余裕がでてきたら、誰が不死者なのかという点に注目しましょう。面白いのは不死者が強いわけではないことです。そのへんはジョジョっぽい雰囲気もあって期待しましたが、頭脳戦は全くなくて肉弾戦のみなのが残念です。
アニメ『バッカーノ(BACCANO!)』の私が好きな4要素
この作品の感想を書いてると、さらに訳わからなくなりそうなので、気に入った部分4要素と、残念だった部分4要素をわけて述べたいと思います。まずはお気に入り4要素。
- 個性的なキャラクター
- 謎を解明したくなる
- テンポと音楽が良い
- スケール大きな物語を上手くまとめてる
個性的なキャラクター
これだけ多くのキャラクターを出してるので、個性がないと区別がつかなくなります。その点、バッカーノの登場人物たちは、ひとくせもふたくせもある連中ばかりなので、それを見るだけでも楽しいです。
性格だけでなく服や声にも特徴を持たせることで、混乱しないように配慮されてる気がします。各キャラクターの演出もかっこいいですね。私が個人的に好きキャラは一番下で発表します。
謎を解明したくなる
とくに前半は謎だらけ。死なない人がでてきたり、手で頭から人を食ってしまったり。その時点でファンタジーだとわかるけど、どういう経緯でその能力を身につけるのか、どういう原理ではたらく能力なのか知りたくなります。
またどの人物どうしが面識あるのか、知り合いなのかも少しづつ明らかになっていきます。不老不死の者がいるというのがわかると、人物関係はより複雑になります。
そして「一番最初に死んだ人が犯人の可能性が高い」というミステリでよくある手口も使いますか。前半最大の謎は殺し屋ヴィーノの名前が連発するのでヴィーノ探し。後半は不老不死の謎が解明されていくのが見どころだと思います。
テンポと音楽が良い
オープニングもいいし、物語のテンポも良くて音楽もマッチしています。おまけにノリもいい。ただ私はDVD版なのでテレビ版13話の続きの14〜16話も見たのですが、こちらはいまいちなテンポです。
スケール大きな物語を上手くまとめてる
洋上の船からはじまるのは、ジョジョを思い出します。いやあちらは終わりでしたっけ。いずれにしろ船の上で不老不死が誕生してから、世界というかアメリカ各地に散っていきます。そしていろんな年代で物語が進行します。
ラノベの何巻分を放送したのかは知りませんが、こんなめちゃくちゃな話を、わかりやすくした方だと思います。もっと単純化する方法もあった気がするけど、そうするとスケールが小さくなる可能性もあります。
アニメ『バッカーノ(BACCANO!)』の残念な4要素
- ストーリーがわかりづらい
- 最終的な目標が不明
- 謎解きの面白さはない
- 表現が残酷すぎる
ストーリーがわかりづらい
上ではスケールのわりにわかりやすいと褒めたけど、年代とびすぎでわかりにくいです。原作を読め!ということでしょうか。もう少しすんなりと頭に入ってくる構成にした方が多くの視聴者を惹きつけられたと思います。
そしてキャラクターの個性も褒めたけど、キャラが多いのにどの顔も似てるのは致命的すぎます。似てると感じるのは私の主観かもしれないけど、同じ色の服を着せればあとは髪型と声で判断するしかなくなりそう。
最終的な目標が不明
見てる時は次の話を見たくなるけど、最後まで見終わるといまいちな印象が残ります。その理由は達成感がないからだと思います。人間も不老不死の人たちも目指すべきものがありません。目標が不明確なのです。
1クールで終わるにしても、ドラマもアニメも何か最終回らしい終わり方があるのが普通です。出だしのつかみはOK!でも中盤がダレても、最終話の感動しだいでは作品の評価は上がったりします。でも私的には「バッカーノ」は下がりました。
あれだけ大きな風呂敷を広げたのなら、それなりのラストは期待します。それなのに超人カップルが何組かできてのハッピーエンドって残念すぎます。まるで浦沢直樹のマンガ、特に20世紀少年の残念さに近いものがあります。
謎解きの面白さがない
前半見てると知的なバトルの雰囲気を期待してたのですが、頭脳戦は全くありませんでした。上の長所で謎解きの面白さと書きましたが、結論は面白くなかったです。というのは謎がなかったというのではなく、ヒントも何も与えてくれなかったからです。
不老不死の出どころが解明された後も大物ぶった悪役とかいましたが、やることが小物すぎて残念。不老不死ならみんな世界征服をねらえとは言わないまでも、世界を動かすくらいの話にならないと生身の人間の「24」にも負けてる気がします。
表現が残酷すぎる
深夜に放送してたから許せるのかもしれないけど、昼間に食事しながら見てるとさすがに気持ち悪いです。たぶん、不老不死でも殺人鬼でも完璧な人間ではないので痛いのは痛いということを表現したかったのでしょう。
あと『バッカーノ』は頭脳戦がない物語なので、基本的に肉弾戦のみの戦いになります。だから血が噴き出るのは仕方ないのでしょうね。拷問シーンはもっと穏やかに見せて欲しかった気もしますが。
『バッカーノ(BACCANO!)』私が好きなキャラクターベスト5(好きな順)
- アイザックとミリア。底抜けに明るいバカップル
- エニス。裏切りの潔さが好き
- レイチェル。強くて義理堅いとこが良い。切符買いすぎ
- クレア・スタンフィールド。たぶん人間では最強。かっこよすぎ
- 次点:ジャグジー。泣き虫だけどやる時はやるキャラ
ゆめぴょんでした。ちゃおっ!